このページではLinuxで動作する自宅サーバーのアップデートを行うyumの設定とアップデート方法について初心者/ビギナー向けに解説します。
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アップデートプログラム"yum"について

最近の WindowsOS や MacintoshOS などの クライアント機 は、インターネットに常時接続して使用するのが一般的になっています。

そして OS だけではなく、 インストール 済みの アプリケーション に対して、それらのメーカーや ディストリビューター からインターネット経由でプログラムを アップデート するサービスが一般的になっています。

WBEL3 にも同様のサービスがいくつか準備されていますが、標準でOSのインストールを行うと yum というプログラムのアップデートをサポートするアプリケーションがインストールされていますから、これをそのまま利用しましょう。

yumは、プログラムのアップデートに際して、

1.インターネット上の サーバー に置かれているWBEL3関連の最新プログラムのバージョンと、現在の稼働中のプログラムのバージョンを比較する。

2.バージョンアップ可能なプログラムを ダウンロード する。

3.プログラムをインストールしてアップデートを行う。

という作業を支援します。

その他にも、稼働中のシステムにインストールされていないアプリケーションを新規にインストールしたり、逆に アンインストール したりと、様々な作業をこなすことができる便利なアプリケーションです。

"yum"の設定

yum は コマンド 入力で手動操作することもできますし、 デーモン として動作させて自動 アップデート を行わせることも可能です。

WBEL3 のyumは、動作するときに、 "/etc/yum.conf" という設定ファイルを参照します。

デフォルト でも問題なく動作しますから、通常はこの設定ファイルを編集する必要はありません。

ただ、アップデートプログラムを参照するとき、デフォルトのままでは海外の込み合った サーバー に接続されてしまいますので、国内の高速なサーバーである、理化学研究所のFTPサーバー 理化学研究所のFTPサーバーについて が指定されるように、"yum.conf"を編集するとよいでしょう。

"yum.conf"の編集は nano エディタで行いますが、内容を大幅に変更するかもしれませんので、 cp コマンドで設定ファイルのバックアップを作成してから、nanoエディタ nanoエディタの使い方へ で"/etc/yum.conf"を開きます。

[tanaka@web1 tanaka]$ su -Enter
Password: "root"のパスワードを入力します。 Enter
[root@web1 root]# cp /etc/yum.conf /etc/yum.conf.orgEnter
[root@web1 root]# ls -dl /etc/yum.*Enter バックアップを確認します。 lsコマンドの説明
-rw-r--r--  1 root  root   1473  6月  6  2004 /etc/yum.conf
-rw-r--r--  1 root  root   1473 10月 22 11:09 /etc/yum.conf.org
 "yum.conf"と同じ容量の"yum.conf.orgが複製されました。↑
[root@web1 root]# nano /etc/yum.confEnter 設定ファイルを"nano"で開きます。

↓

デフォルトのyum.conf
デフォルトの"yum.conf"

[main]の部分は、yumの基本的な動作設定なので変更する必要はありません。[base]と[updates-released]の接続先の情報だけを次のように書き換えてしまいましょう。

[main]
cachedir=/var/cache/yum
debuglevel=2
logfile=/var/log/yum.log
pkgpolicy=newest
distroverpkg=whitebox-release
tolerant=1
exactarch=1
retries=20
failovermethod=roundrobin
gpgcheck=1

[base]
name=White Box Enterprise Linux $releasever - $basearch - Base
baseurl=http://ftp.riken.jp/Linux/whitebox/$releasever/en/os/$basearch
ftp://ftp.riken.jp/Linux/whitebox/$releasever/en/os/$basearch


[updates-released]
name=White Box Enterprise Linux $releasever - $basearch - Released Updates
baseurl=http://ftp.riken.jp/Linux/whitebox/$releasever/en/updates/
ftp://ftp.riken.jp/Linux/whitebox/$releasever/en/updates/

いちいちタイプするのが面倒という方は、一度"yum.conf"の内容を、

[root@web1 root]# echo > /etc/yum.confEnter

で全部消去し、まっさらになった"yum.conf"をnanoエディタで開き、

をクリックして開き、内容をコピー&ペーストしてしまってもOKです。

また、yumによるアップデートには、WBEL3の中核ともいえる カーネル のアップデートも含まれています。

このように後からくっついてしまったバグを、揶揄的に 「エンバグ」 と呼ぶことがあります。

アップデートは本来、 バグ を修正するのが主な目的なのですが、そのバグを修正したが故に別のバグが発生することがあります。

個々の アプリケーション ならばともかく、カーネルのアップデートプログラムにバグがあったら、システムそのものの セキュリティ や安定性に問題が出るかもしれません。

そのため、解説書などで、

「充分に検証されるまでカーネルのアップデートは控えることが望ましい。」

という記述を良く見かけます。

ただ、WBEL3は開発やテストを目的とした ディストリビューション ではありません。

WBEL3とはどういうOSか でも説明しているとおり、実用 OS としてリリースされている RHEL の クローン です。

従って、 RHL や FedoraCore のように、 「多少問題はあるかもしれませんが、最先端の技術に触れてみてください。」 というスタンスでアップデートされるものではありませんから、カーネルのアップデートについても必要以上に神経質になることはないと思います。

それよりもむしろ、現在の目的がサーバーであることを考えれば、やはりセキュリティを重視してカーネルのアップデートは積極的に行うべきでしょう。

「でもやっぱり心配...。」

という慎重な方は、[main]のセクション以下に、

exclude=kernel*

と記述しておいてください。"kernel"で始まるプログラムのアップデートは行われなくなります。もちろんこの場合、カーネルのアップデートが必要な別のアプリケーションのアップデートも行われなくなります。

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"yum"デーモンは「動作させない」が安全

yum を デーモン として動作させておけば、デーモンが自動的にアップデートの可否をチェックして、アップデート作業まで自動的に行います。

yumデーモンを起動するには、"root" アカウント から、起動スクリプト "/etc/init.d/yum" を "start" オプションで起動します。

[root@web1 root]# /etc/init.d/yum startEnter

ただし、これだけでは ホスト機 再起動するたびに同じ作業をしなければなりませんから、 ntsysv でデーモンの起動設定画面を開いて"yum"にチェックを入れておきます。これでシステム起動時に自動的にデーモンとしてyumが起動するようになります。

[root@web1 root]# ntsysvEnter

↓

ntsysvによる設定画面

先に説明しておいて「何を今更!」と思われるかもしれませんが、できれば yumデーモンは動作させないこと をお勧めします。

yumデーモンを動作させていれば、 アップデート プログラムがリリースされればいち早くアップデートを行ってくれますから、 セキュリティ の改善や バグ の解消だけを考えれば安心です。

しかし、そのアップデート中に 停電 という事態に見舞われると、修復できない不具合が起こってしまう可能性が非常に高くなります。

最近は電力事情が良くなって滅多に停電などしなくなりましたが、例えば真夏日の需要過多による電圧低下や、台風、豪雨、積雪などが原因の停電はなくなった訳ではありません。

お母さんに部屋の掃除を任せているとか、元気の余っている子供たちが家の中のあちこちに出没するとか、そういう環境は危険ですね。

またご家庭によっては、電気を使いすぎてブレーカーが落ちるとか、設置場所によっては、誤ってホスト機のプラグを抜かれてしまったりすることもあるでしょう。

あたりまえの話ですが、yumデーモンはそういった諸々の事情は一切考慮しませんから、暑かろうが寒かろうが、外が吹雪いていようが、子供たちが走り回っていようが、アップデートプログラムが見つかれば忠実にアップデート作業を行ってしまいます。

というわけですから、yumによるアップデート作業は、

「停電やブレーカーダウン、電源切断の恐れのない時間帯を選んで、手動で行う。」

のが安全だといえるでしょう。

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"yum"による手動アップデート

WBEL3 は、既に旧バージョンの ディストリビューション です。

従って、もうかなり バグ 修正も進んでいますので、リリース直後のように頻繁に アップデート プログラムが準備されることはなくなっています。

というわけで、もはや「一刻を争うようなアップデート」はほとんどあり得ないと思われますから、 yum による手動アップデートは、一月に一回程度行えば良いでしょう。

yumを使う場合には、"root" アカウント から、まず、

yum list を初めて実行するときは、最初にすべてのパッケージのヘッダ情報をダウンロードしますから少し時間がかかります。

yum list Enter

と実行します。

[root@web1 root]# yum listEnter
Gathering header information file(s) from server(s)
Server: White Box Enterprise Linux 3.0 - i386 - Base
Server: White Box Enterprise Linux 3.0 - i386 - Released Updates
Finding updated packages
Downloading needed headers
samba-client-0-3.0.9-1.3E 100% |=========================|  11 kB  00:00
hwdata-0-0.101.17-1.noarc 100% |=========================| 4.9 kB  00:00
hotplug-3-2002_04_01-20.4 100% |=========================| 4.7 kB  00:00
libstdc++-0-3.2.3-52.i386 100% |=========================|  16 kB  00:00
 しばらくこういう表示が続きます(中略)。
xsane-gimp          i386  0.89-3     base
ypbind            i386  3:1.12-5.21.6  updates-released
ypserv            i386  2.8-13     updates-released
zsh              i386  4.0.7-1.EL.2  updates-released

[root@web1 root]#

すると、yumで利用可能な ソフトウェア パッケージの一覧を取得することができます。

続いて、

yum check-update Enter

と実行します。

[root@web1 root]# yum check-updateEnter
Gathering header information file(s) from server(s)
Server: White Box Enterprise Linux 3.0 - i386 - Base
Server: White Box Enterprise Linux 3.0 - i386 - Released Updates
Finding updated packages
Downloading needed headers
Name               Arch  Version     Repo
--------------------------------------------------------------------------------
XFree86              i386  4.3.0-81.EL   updates-released
XFree86-100dpi-fonts       i386  4.3.0-81.EL   updates-released
XFree86-75dpi-fonts        i386  4.3.0-81.EL   updates-released
XFree86-Mesa-libGL        i386  4.3.0-81.EL   updates-released
 しばらくこういう表示が続きます(中略)。
xloadimage            i386  4.1-34.RHEL3   updates-released
ypbind              i386  3:1.12-5.21.6  updates-released
zsh                i386  4.0.7-1.EL.2   updates-released
[root@web1 root]#

すると、既に インストール されているパッケージのバージョンと、サーバー上のパッケージのバージョンが比較され、アップデート可能なパッケージのみが表示されます。

そして最後に、

yum update Enter

を実行します。

[root@web1 root]# yum updateEnter
Gathering header information file(s) from server(s)
Server: White Box Enterprise Linux 3.0 - i386 - Base
Server: White Box Enterprise Linux 3.0 - i386 - Released Updates
Finding updated packages
Downloading needed headers
Resolving dependencies
.Dependencies resolved
I will do the following:
[install: kernel 2.4.21-32.0.1.EL.i686]
[install: kernel-source 2.4.21-32.0.1.EL.i386]
[update: samba-client 3.0.9-1.3E.3.i386]
[update: openssh-clients 3.6.1p2-33.30.4.i386]
[update: hotplug 3:2002_04_01-20.4.i386]
[update: libstdc++ 3.2.3-52.i386]
 しばらくこういう表示が続きます(中略)。
[update: XFree86-font-utils 4.3.0-81.EL.i386]
[update: gnome-applets 1:2.2.2-2.1E.i386]
I will install/upgrade these to satisfy the dependencies:
[deps: aspell-config 2:0.33.7.1-25.3.i386]
[deps: openssl 0.9.7a-33.15.i386]
Is this ok [y/N]:

するとパッケージ相互の依存性がチェックされたあと、最終確認の プロンプト が表示されますので、アップデートを実行してよければ y → Enter を、中止したければ n → Enter とタイプします。

初めてアップデートを行うときは、アップデートパッケージがたくさんありますので、結構時間がかかります(数十分〜1時間程度)。お茶でも飲みながら気長に待ちましょう。プロンプトが表示されたらアップデートは終了です。

管理人イチオシの一冊、
Linux初心者必読です!
↓

次回からは、アップデートするパッケージは非常に少なくなるはずですので、リスト取得やチェックを省略して、いきなり、

yum update

を実行しても大丈夫でしょう。

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