このページでは自宅サーバーの構築に便利なダイナミックDNSの仕組みとその利用方法について初心者/ビギナー向けに解説します。
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ダイナミックDNSとは?

一般的なインターネット接続の契約は、 WAN 側の IPアドレス が不定ですので、 公開サーバー を運用しようと思っても、その受け入れに必要な 所在地情報が決まっていない ために、そのままでは充分に機能しません。 IPアドレスが変化する理由

ただ、変化してしまうIPアドレスに対して FQDN を動的に追随させ、 DNS の 名前解決 情報を臨機応変に対応させることができれば、実用上問題のない範囲での 「変化しない所在地情報」 を得ることが可能になります。

これが ダイナミックDNS と呼ばれる方法です。

例えば固定IPアドレスで運用されている公開サーバーに対し、ある DNSサーバー 上で、

www.obenri.com = 211.183.111.34

という 名前解決がおこなわれていたとします。

ところが何らかの事情で、公開サーバーのIPアドレスを 219.189.222.153 に変更しなければならなくなったとします。

その場合は、DNSサーバーの設定を

www.obenri.com = 219.189.222.153

に 手動で 変更することで、 "www.obenri.com" の利用者は今までとなんら変わることなくサービスを受け続けられることになります。

ダイナミックDNSは、この 「変更になったIPアドレスを手動で変更する」 ところに仕掛けを加え、

1.名前解決の対象となる公開サーバー側で、自身の グローバルIPアドレス の変化を監視するプログラムを動作させる。

2.グローバルIPアドレスが変化したら、その情報をダイナミックDNSを担うDNSサーバーに自動的に送信する。

3.情報を受けたDNSサーバーは、対象となる公開サーバーのFQDNとIPアドレスの対応表を自動的に書き換える。

というプロセスで動作します。

つまり、ダイナミックDNSを担うDNSサーバーは、仕組みが自動化されているというだけで正式なDNSサーバーであることに変わりはありませんから、当然のごとく 「固定IPアドレス上に設置して登録が必要」 です。

従って、自分自身でダイナミックDNSを担うDNSサーバーを設置するには、通常のDNSサーバーを設置するのと同じ条件 DNSサーバーを所有できる条件とは が必要となります。

ですから、ダイナミックDNSを利用して公開サーバーを運用する場合には、DNSサーバーを自分で設置するのではなく、 ISP や団体、個人で運用されているダイナミックDNSを利用させてもらうのが基本となります。

また、ダイナミックDNSは、 「自宅のグローバルIPアドレスが変化した後にFQDNを対応させる」 という仕組みで動かなければならない宿命として、

IPアドレスが変化してから、FQDNとIPアドレスの対応情報の書き換えがインターネット空間に反映されるまでの間は、クライアントからサービスが利用できない。

という避けられないデメリットがあります。

その「サービスが利用できない」ケースの発生頻度は、数日に一回程度といわれていますが、それは契約しているISPの「IPアドレスのリース形態」によって様々ですので一概にはいえません。その空白時間の長さについても、大体10分〜30分といわれていますが、これも利用するダイナミックDNSのシステムによって様々です。

しかし、自宅で運用する公開サーバーならば、その程度のサービス停止はおそらく問題にはならないでしょう。

外部のダイナミックDNSの利用は、固定IPアドレス契約でサーバーを運用するよりもずっと安価に公開サーバーを運用できる方法なので、その程度のデメリットには目をつぶってもいいのではないでしょうか。

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ダイナミックDNSの利用登録

ダイナミックDNS を利用するには、その運営サイトなどに利用のための登録を行わなければなりません。

自分で契約している ISP がダイナミックDNSサービスを提供している場合は、それを利用するのが一番確実です。しかしこの場合は、そのISPを通じて ドメイン名 を取得した場合の限定サービスとして提供されるのが普通ですから、利用できるドメイン名の種類(例えば ".jp" だけ、など)が限定されることがあります。

YAMAHA NVR500
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のルーターです

↓

NVR500のDDNSサービス
"ネットボランチ"についてはこちら ヤマハ NVR500のネットボランチサービスについて から。

また、 ルーター などの通信機器を購入すると、ルーターのメーカーやそのメーカーと提携しているISPなどが提供するダイナミックDNSサービスの提供を受けられることがあります。

この場合、接続設定はルーターだけですべて行うことができますので非常に簡単です。

ただしこの類のサービスは「外出先から自宅のネットワークへの VPN 接続」などを可能にし、ユーザーの個人的な利用メリットを向上させるために提供されるものですから、独自ドメイン名の使用やMXレコードの登録などはまずできないと考えてください。

またこのサービスはあくまでルーターという ハードウェア に対して提供されるものですから、そのルーターを手放して別のルーターを設置してしまうと、当然のことながら FQDN は変更を余儀なくされます。

つまりホームページを継続して運営したいと思っても、ルーターが変わるたびにホームページアドレスも変わってしまう、という不都合が起こることになりますので注意が必要です。

メールサーバーの運用に使用するFQDNは、単純に名前解決可能であればいいというわけではなく、MXという特殊なレコードで登録されていなくてはメールの中継ができないようになっています。ダイナミックDNSでこのMXレコードを安易に利用可能にしてしまうとスパムメール対策上問題があるという理由で、独自ドメイン名でのメールサーバー用FQDNの利用可能なサイトが少ないわけです。

ダイナミックDNSサービスはどちらかというとメジャーなものではありませんから、設定できるFQDNの数に制限があったり、 メールサーバー 用のFQDNの設定ができなかったり、といった「それでも構わなければ自己責任でご利用ください。」的なケースが多いのが現状です。

もちろん、ISPとは無関係に利用できるダイナミックDNSサービスも数多く存在しますから、自分の契約しているISPにダイナミックDNSサービスがなかったり、サービス内容に不満があったりする場合にはこちらを選択することになります。

ダイナミックDNSで利用できるサービスは運営サイトによって異なりますから、よくわからないうちは選択に迷うところです。それは独自のドメイン名が使えたり使えなかったり、メールサーバーの運用ができたりできなかったりという利用上の制約が様々であるだけでなく、それらのサービスが無料か有料か、という点も考慮しなければならないからです。

例えば、そのダイナミックDNS運営サイトが"obenri.com"というドメインの利用のみのサービス提供という場合、"hage.obenri.com"とか、"tanaka.obenri.com"というFQDN(いわゆるサブドメイン)でしか自宅のホームページサーバーを運用できないということになります。

当たり前といえば当たり前のことですが、有料のダイナミックDNSのほうがサービスは充実しているようです。一般的に無料のダイナミックDNSサービスの多くは、自分で取得したドメイン名を使ってFQDNを設定できる訳ではなく、その運営サイトが準備したドメイン名を利用したFQDNしか扱ってくれません。

従って、自分でドメインを取得し、好みのFQDNを使ったホームページを自宅の サーバー 上で公開したい場合には、無料のダイナミックDNSは不向きかもしれません。

ただし、独自ドメイン名を使って無料で利用できるダイナミックDNS運営サイトもない訳ではありませんし、メールサーバーの運用も可能な場合もあります。特に海外のサービスは比較的制約が少ないので、語学力に自信のある方は探してみてはいかがでしょうか。

ダイナミックDNSの運営サイトへの申し込みの手続きは、基本的に運営サイトの コンテンツ から行ないます。

有料のサービスの場合には送金などの手続きがありますから実際に申し込んでから利用可能になるまで少し時間が必要になる場合があります。しかし無料のサービスではその手間が不要な分、スムーズに登録、利用開始、利用停止、登録廃止ができます。

従って、ダイナミックDNSの利用方法がよく解らないうちは、最初から有料のサービス申し込んで手続きに追われるよりも、サービス内容を欲張らずに無料のサービスをいくつか試してみるほうが良いでしょう。

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DNS情報の変更/登録

ダイナミックDNS の運営サイトへの登録が終わったら、次に ドメイン名 を登録した代行業者の コンテンツ からDNS情報の変更手続きを行います ドメインの取得について。

というより、独自のドメイン名を取得すること自体が不要です。

もちろん、独自のドメイン名を使用せずに、その運営サイトが準備したドメイン名による FQDN を利用する場合にはこの手続きは不要です。

ドメイン名は、所有しているだけではインターネット上で使用することはできません。ドメイン名を取得したら、そのドメイン名によるFQDNを決め、その「権威ある 名前解決 情報」を担うDNSサーバーを指定する必要があります。もちろん、ダイナミックDNSを利用する場合も例外ではありません。

ドメイン名のDNS登録では、二つ以上のDNSサーバーを指定しなければならないケースが多いようです。その理由はもちろんDNSサーバーが、「マスター」と「スレーブ」で運用することが前提になっているからです。

具体的な手順としては、例えば、自分が利用登録したダイナミックDNSの運営サイトのコンテンツを開き、「利用方法の説明」などを読むと、

「お持ちのドメイン名のDNS情報設定画面で、ns0.xxxxx.jpとns1.xxxxx.jpに登録してください。」

というような指示があるはずです。まずは、その二つのFQDN "ns0.xxxxx.jp" 、 "ns1.xxxxx.jp" を正確にメモしておきます。(この二つのFQDNが、ダイナミックDNSを担うDNSサーバーを指し示すFQDNです。)

ドメイン名の種類にもよりますが、この登録/変更が実際にインターネット上に反映されるまで数時間〜数日かかる場合がありますので、あせらないでのんびり待ちましょう。

そして、自分がドメイン名を取得したサイトのコンテンツから、 「ドメイン名の登録情報変更」 のような項目を探して ログイン し、 「DNS情報の変更」 などの項目を、 "ns0.xxxxx.jp" 、 "ns1.xxxxx.jp" に書き換えることになります。

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FQDNの登録

ドメイン名 の DNS 情報の変更/登録の作業が終わったら、もう一度 ダイナミックDNS 運営サイトの コンテンツ に戻って、 FQDN の登録を行います。

ダイナミックDNSの運営サイトが指定するドメイン名を利用する場合、例えばそのドメイン名が "obenri.com" の場合には、 "hage.obenri.com" や、 "tanaka.obenri.com" などのFQDNを登録することになります。もちろん、他の誰かが同じFQDNを登録済みの場合は他のFQDNでなければなりません。

一方、自分で取得した独自のドメイン名が利用できる運営サイトの場合には、 ホスト名 は好きなものが登録できます。

ホームページを公開する場合はホスト名を "www" にしておくと何かと都合がよいでしょう。もちろん、他のホスト名でも、 サブドメイン を併用しても構いません。

また、独自に メールサーバー を設置できるダイナミックDNSの場合は、メールサーバー用のホスト名を設定するための項目があるはずですから、ホスト名はわかりやすいように "mail" などにして登録しておきましょう。

ダイナミックDNSを利用する場合には、自分で DNSサーバー を運用する場合と違って、設定できるFQDNの数は2〜5個程度に制限されているのが普通です。しかし、自宅サーバーの運用程度ならばそれで充分だと思います。

また、ダイナミックDNSの運営サイトによっては、ホスト名に、 「 ワイルドカード 」 という設定ができるところがあります。

例えば、 "obenri.com" というドメイン名に対してダイナミックDNSで "*.obenri.com" というワイルドカード設定を行うと、 "*"の部分は「なんでも」 名前解決 の対象になります 。

つまりこの「ホスト名のワイルドカード指定」を行えば、自宅サーバーの Webサーバー アプリケーション の バーチャルホスト の設定と併用することで、 "www.obenri.com" だけではなく、 "hage.obenri.com" や "vsop.obenri.com" など、好きなホスト名をいくつも使ってたくさんのコンテンツを運用できるようになります。

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IPアドレスの動的な更新設定

自宅の ノード の グローバルIPアドレス の変化を ダイナミックDNS に伝え、 名前解決 情報を動的に更新してもらうための設定です。

ダイナミックDNSの DNSサーバー は、ユーザーから送られてくる「ユーザーの自宅のグローバルIPアドレス情報」を受け取り、もしもグローバルIPアドレスが変更されていたら、登録されたFQDNとグローバルIPアドレスの対照情報を変更する、という動作を行います。

従って、ユーザー側は一定時間毎に、またはグローバルIPアドレスが変化したタイミングで、

ユーザー名+パスワード+グローバルIPアドレス

の三つの情報をセットにしてダイナミックDNSサーバーに送信することになります。

ダイナミックDNSサーバーの多くは、認証が必要なホームページの閲覧の仕組みを利用した 「httpによるベーシック認証」 という仕組みを利用して動的更新を行います。それ以外にも例えば電子メールの受信のときの認証の仕組みを利用するものもありますが、「ユーザー名+パスワード+グローバルIPアドレス」の情報を送る、という手続き自体は同じです。

この情報の送信は手動で行うこともできますが、普通は 公開サーバー 上でプログラムを動かし、自動的にグローバルIPアドレスが更新できるように設定しておきます。

そのプログラムとして最も普及しているのが、 DiCE という無料の アプリケーション です。

DiCE は、対話式で簡単に設定できるうえ、動作状況がわかりやすく、プログラムの安定性も高いのが特徴です。また、 WindowsOS 用だけでなく、 LinuxOS 用も用意されていますので、これ以外の選択肢はまず考えなくてもよいでしょう。

ダイナミックDNSで名前解決の対象となるのは公開サーバーではなく、あくまで宅内のグローバルIPアドレスです。よって、情報送信は、公開サーバー機やルーターでなければならないということではなく、 NAT + IPマスカレード 以下の任意の ホスト機 からでもかまいません。

また、httpによるベーシック認証を利用できるダイナミックDNSの場合には、情報送信のための機能が内蔵された ルーター が利用できることもあります。

いずれにせよ、利用できる情報の送信方法やタイミングなどはダイナミックDNSの運営サイトによって様々ですので、運営サイトの説明はしっかり理解しておきましょう。

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ダイナミックDNS利用の注意点!

ダイナミックDNS は、固定の グローバルIPアドレス のない通信環境でも簡単に 公開サーバー の運用を可能にしてくれる、とても有難いシステムです。

ただ、

「自宅のグローバルIPアドレスが変化した後にFQDNを対応させる」

という仕組みから生じる、

「外部から FQDN で公開サーバーを参照できない空白時間」

が生じます。これはシステム上避けられないことなので割り切らなければなりません。

しかし、それがイヤだからといって、必要以上に短い時間間隔でダイナミックDNSの DNSサーバー に情報送信を行ってはいけません。

DNSサーバーは本来、 DNSキャッシュ を利用して負荷を分散するような仕組みになっていますが、ダイナミックDNSの場合は、他のDNSサーバーにキャッシュ情報を長くも持たせられないため、その「権威あるDNSサーバー」自身の負荷はかなり大きなものになります。

従ってダイナミックDNSを利用する場合には、DNSサーバーの負荷を必要以上に増やさないためにも、運営サイトの利用ガイドラインを守って適切な方法で利用するようにしましょう。

また、無料のダイナミックDNSサービスの場合には、一定期間利用がない、つまり、グローバルIPアドレスの更新のための情報が一定期間以上送信されない場合には、自動的に登録が削除されるようになっているのが普通です。

自宅のインターネット接続環境が「グローバルIPアドレスの変更が滅多に行われない」というような場合には、情報送信プログラムの設定を誤ると、「利用されていない」と判断されて登録を削除されてしまうことがありますので注意してください。

そういう制限がどうしてもイヤで、

「やっぱりダイナミックDNSには頼らずに、固定IPアドレス契約で自前の DNSサーバー を設置して運用したい!。」

というチャレンジ精神旺盛な方は、 「固定IPアドレス一個でDNSサーバーを構築する」 固定IPアドレス一個でDNSサーバーを構築 に解説がありますので興味のある方はご覧ください。

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ダイナミックDNSのサイト情報

文句無しに一番詳しいのは、

DiCE DynamicDNS Client (自宅でインターネットサーバー)

のサイトでしょう。

このサイトの作者の手によるDiCEは、ベーシック認証で利用できるダイナミックDNSへの情報送信 アプリケーション の事実上のスタンダードです。

このDiCEによって利用できる ダイナミックDNS は非常に数が多く、 LinuxOS 上で動作するDiCEも公開されています。

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このサイトではDiCEの紹介だけではなく、一般的な サーバー 環境の構築方法や具体的なDiCEの設定方法の他、情報が非常に豊富ですので、自宅に 公開サーバー を構築する際には必見といってよいでしょう。

もちろん、全てのダイナミックDNSサーバーへの設定方法が紹介されている訳ではありませんから、その場合はインターネット上の コンテンツ から自力で情報を探し、試行錯誤して構築することになります。

ただ、きちんとダイナミックDNSの仕組みを理解していれば、それほど困難な作業というわけではないと思います。

このコンテンツでも、 ダイナミックDNSの登録と設定(WBEL3) ダイナミックDNSの登録と設定(WBEL4) ダイナミックDNSの登録と設定(CentOS3) ダイナミックDNSの登録と設定(CentOS4) ダイナミックDNSの登録と設定(CentOS5) 及び ダイナミックDNSの自動更新(WBEL3) ダイナミックDNSの自動更新(WBEL4) ダイナミックDNSの自動更新(CentOS3) ダイナミックDNSの自動更新(CentOS4) ダイナミックDNSの自動更新(CentOS5) で具体的な設定例を掲載していますので参考にしてください。

ダイナミックDNSの利用は、自前で固定 IPアドレス 契約を行い、 DNSサーバー を設置する費用と労力を考えれば、はるかに安価な名前解決の方法ですから、賢く利用したいものです。

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