mbtowc

多バイト文字 (multibyte character) をワイド文字 (wide character) に変換します.

#include <stdlib.h>
int mbtowc(
    wchar_t * restrict pwc,
    const char * restrict s,
    size_t n
);

mbtowc 関数は s が指す多バイト文字を最大 n バイト検査し,多バイト文字に対応するワイド文字を pwc が指すオブジェクトに格納します.

mbtowc 関数の動作はその時点のロケール (locale) の LC_CTYPE カテゴリの影響を受けます.

引数

  • pwc: ワイド文字を格納する場所
  • s: 変換する多バイト文字
  • n: 変換する文字のバイト長

戻り値

  • s が空ポインタ (NULL) であるとき:
    • 多バイト文字の表現形式がシフト状態に依存しているとき: 0 以外
    • 上記以外のとき: 0
  • s が空ポインタでないとき:
    • s がナル文字 ('\0') を指すとき: 0
    • n 個以下のバイト列が正しい多バイト文字を形成するとき: 多バイト文字のバイト数 ※
    • n 個以下のバイト列が正しい多バイト文字を形成しないとき: -1

※ 戻り値が 引数 n の値や MB_CUR_MAX マクロの値を超えることはありません.

C言語サンプルプログラム

mbtowc 関数を使用して多バイト文字をワイド文字に変換するサンプルプログラムを以下に示します.

/* header files */
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <wchar.h>
#include <locale.h>

/* functions */
void convert_and_display(char *c);

/* main */
int main(void) {
    char correct[] = "";
    char *nil = NULL;

    /* ロケールを変更 */
    setlocale(LC_CTYPE, "JPN");

    /* 多バイト文字をワイド文字に変換し結果を表示する */
    convert_and_display(correct);
    convert_and_display(nil);

    return EXIT_SUCCESS;
}

/**
 * @brief 多バイト文字をワイド文字に変換し結果を表示する
 * @param[in] c 多バイト文字
 */
void convert_and_display(char *c) {
    int result;
    wchar_t pwc;

    /* 多バイト文字をワイド文字に変換する */
    result = mbtowc(&pwc, c, 256);
    if ( result > 0 ) {
        printf("c は正しい多バイト文字です.\n");
        wprintf(L"pwc: %c\n", pwc);
    } else if ( result == 0 ) {
        printf("c はナル文字を指しています.\n");
    } else {
        printf("c は正しい多バイト文字を形成していません.\n");
    }
    printf("\n");
}

実行例

サンプルプログラムの実行結果は以下のようになります.

c は正しい多バイト文字です.
pwc: あ

c はナル文字を指しています.

Cプログラマの必読書

たくさんあるC言語関連の書籍の中でも特に役に立った本です.よかったら参考にしてみてください.

C実践プログラミング 第3版

C言語の実践的参考書.少々値段は張りますが初心者を脱しようとしている人は絶対に読むべきです.
文法だけでなく,コーディングスタイルやデバッグなど文字通り「実践的」なことが書かれているので非常にためになります. オライリーの本は,読みにくい本が多いのですが本書はとても読みやすくオススメです.


C言語ポインタ完全制覇 (標準プログラマーズライブラリ)

ポインタの解説書としては最高の書籍です.
この1冊でポインタを完全に理解することができます.全くの初学者が読むには敷居が高いですが,入門書を読み終えた後に読むと非常に有益です.