C言語では文字列を '=' 演算子で直接代入できないため,文字列をコピーするには,string.h の strcpy 関数か,strncpy 関数を使用します.
#include <string.h>
strcpy
char * strcpy(char * restrict s1,
const char * restrict s2);
strncpy
char * strncpy(char * restrict s1,
const char * restrict s2, size_t n);
ただし,strcpy 関数はバッファオーバーフロー (buffer over-flow) を発生させやすい関数とされていますので,今回は strncpy 関数を紹介します.
strncpy 関数は s2 が指す文字列から,s1 が指す文字列に最大で n 文字コピーする関数です.なお,s2 が指す文字列の終端 '\0' に続く文字はコピーされません.
注意!
strncpy 関数は,n の値が s2 のサイズよりも大きい場合には,s1 に文字列をコピーした後に,自動的に s1 が全体で n 文字に達するまで,'\0'を付加します.
しかし,n の値が s2 のサイズよりも小さい場合には,終端 '\0' を付加してくれません.(以下の図参照)
○: n >= s2のサイズ
×: n < s2のサイズ
したがって,s2 のサイズが n よりも大きい場合には,なんらかの対策が必要になります.最も簡単な対策法としては,コピー後の文字列の n - 1 番目の要素に'\0'をセットする方法があります.
具体的には以下のように実装します.
strncpy(s1, s2, n);
if (n > 0) {
s1[n - 1] = '\0';
}
以下に strncpy 関数を使用して文字列をコピーするサンプルプログラムを示します.
/* header files */
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
/* macros */
#define N 256
/* main */
int main(void) {
char s1[N] = {'\0'};
char s2[] = "Snoopy!";
printf("-- コピー前 --\n");
printf("s1: %s\n", s1);
printf("s2: %s\n", s2);
/* s2 の内容を N 文字分 s1 にコピー */
strncpy(s1, s2, N);
if ( N > 0 ) {
s1[N - 1] = '\0';
}
printf("\n-- コピー後 --\n");
printf("s1: %s\n", s1);
printf("s2: %s\n", s2);
return EXIT_SUCCESS;
}
サンプルプログラムの実行結果は以下のようになります.
-- コピー前 -- s1: s2: Snoopy! -- コピー後 -- s1: Snoopy! s2: Snoopy!
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文法だけでなく,コーディングスタイルやデバッグなど文字通り「実践的」なことが書かれているので非常にためになります.
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