ベクトル A と ベクトル B のなす角は以下の式で求められます.
上記の式をベクトルを配列で表現して C言語で実装すると以下のようになります.
/**
* 2 つのベクトルのなす角を計算する
* @param[in] vec1 ベクトル1
* @param[in] vec2 ベクトル2
* @param[in] n ベクトルの次元数
* @return vec1 と vec2 のなす角
*/
double IncludedAngle(double *vec1, double *vec2, int n) {
return acos(InnerProduct(vec1, vec2, n) /
(Norm(vec1, n) * Norm(vec2, n)));
}
上記では,ベクトルの内積を求める InnerProduct 関数と,ベクトルの長さを求める Norm 関数を独自に定義して使用しています.これにつきましては, ベクトルの内積を計算する と ベクトルの長さ (ノルム) を計算する をご覧下さい.
注意!
上記で定義した IncludedAngle 関数は,ベクトルの長さが 0 の場合に意図しない結果になります (ゼロ除算).引数にゼロベクトルをとりうる場合は場合わけをするなどの工夫が必要です.
上記の式を C言語で実装したサンプルプログラムを以下に示します.なお,以下はベクトルを配列で実装しています.
/* header files */
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <math.h>
/* functions */
double Norm(double *, int);
double InnerProduct(double *, double *, int);
double IncludedAngle(double *, double *, int);
double to_deg(double);
/* main */
int main(void) {
double included_angle;
double vec1[] = {1.0, 0.0, 0.0};
double vec2[] = {1.0, 1.0, 0.0};
included_angle = IncludedAngle(vec1, vec2, 3);
printf("ベクトルのなす角: %.2f\n", to_deg(included_angle));
return EXIT_SUCCESS;
}
/**
* ベクトルの長さ(ノルム)を計算する
* @param[in] vec ベクトル
* @param[in] n ベクトルの次元数
* @return vec の長さ
*/
double Norm(double *vec, int n) {
int i;
double s = 0.0;
for ( i = 0; i < n; i++ ) {
s += vec[i] * vec[i];
}
return sqrt(s);
}
/**
* ベクトルの内積を計算する
* @param[in] vec1 ベクトル1
* @param[in] vec2 ベクトル2
* @param[in] n ベクトルの次元数
* @return vec1 と vec2 の内積
*/
double InnerProduct(double *vec1, double *vec2, int n) {
int i;
double s = 0.0;
for ( i = 0; i < n; i++ ) {
s += vec1[i] * vec2[i];
}
return s;
}
/**
* 2 つのベクトルのなす角を計算する
* @param[in] vec1 ベクトル1
* @param[in] vec2 ベクトル2
* @param[in] n ベクトルの次元数
* @return vec1 と vec2 のなす角
*/
double IncludedAngle(double *vec1, double *vec2, int n) {
return acos(InnerProduct(vec1, vec2, n) /
(Norm(vec1, n) * Norm(vec2, n)));
}
/**
* 弧度法表記を度数法表記に変換する
* @param[in] r 角度[rad]
* @return 角度[deg]
*/
double to_deg(double r) {
return r * 180.0 / (atan(1.0) * 4.0);
}
サンプルプログラムの実行結果は以下のようになります.
ベクトルのなす角: 45.00
たくさんあるC言語関連の書籍の中でも特に役に立った本です.よかったら参考にしてみてください.
C言語の実践的参考書.少々値段は張りますが初心者を脱しようとしている人は絶対に読むべきです.
文法だけでなく,コーディングスタイルやデバッグなど文字通り「実践的」なことが書かれているので非常にためになります.
オライリーの本は,読みにくい本が多いのですが本書はとても読みやすくオススメです.
ポインタの解説書としては最高の書籍です.
この1冊でポインタを完全に理解することができます.全くの初学者が読むには敷居が高いですが,入門書を読み終えた後に読むと非常に有益です.