ご存知のように HTMLは、1990年代初期に CERN(欧州原子力研究機関)に勤めていた ティム・バーナース・リー(Tim Berners-Lee)氏の手によって作成されたマークアップ言語であることは、広く知られています。
ここでは、バーナース・リー氏が行った HTMLの最終作業以前のハイパーテキストに関連した2つのトピックスを紹介します。特に今日のハイパーテキストの原型を模索した、テッド・ネルソン (Ted Nelson)、ビル・アトキンソン (Bill Atkinson) 両氏の功績に敬意を表します。
あわせて、HTMLの誕生から今日の HTML4.01 までの内容についても触れました。
ACM (Association for Computing Machinery) に提出された論文で、初めて「ハイパーテキスト HyperText」という言葉を使いました。Samuel Taylor Coleridge作の小説に登場する架空都市にちなんで、Xanadu (キサナドゥ) と名付けました。Xanaduは、まだ人々の目に触れることはありません。まさに、1人の作家が描いた夢の都市そのものの存在であり、幻想だったのかもしれません。Macintoshコンピュータで知られる Apple社は、ビル・アトキンソン氏の手によって作られたソフトウェア、HyperCard を発表しました。Macintosh SE20 がリリースされたときにバンドルされ、このソフトウェアを利用した人もいることでしょう。HyperCardは、グラフィカルなユーザ・インターフェイスを使って、コンピュータ画面上にカード形式の仮想スタックを作成し、テキスト、グラフィックス、操作、ボタンなどを配置し、他のカードにリンクするという画期的なものでした。HyperCardの最終的な限界は、スタンドアロン型であるということにほかなりません。つまり、他のコンピュータから接続して利用するような共有リソースとしての機能が備わっていなかったのです。Xanadu とともに、それらは共に Webにとって大きな基礎を築いたことは、賞賛されるべき偉業であると考えます。CERN で「研究論文をどのようなプラットフォームでも閲覧可能にできないか」という問題を解説するために、巨大な共有データベースの計画を立案し、データベースの利用にハイパーテキストを使用する試みが行われました。データ間の関係にハイパーリンクによって作成され、彼はこのような概念を 「World Wide Web」 と名付けました。CERN より、WEBに関する作業の開始指示を受け、彼がこのときに解決しなければならない問題は以下のようなものでした。HTTP (Hypertext Transfer Protocol) を生み出し、そのプロトコルに適した Web上の汎用言語として HTML が作成されました。World Wide Web に成長したことは、その後の歴史が証明することでしょう。W3C の初代会長に就任しました。HTMLにもその歴史とともにバージョンがあります。これは、その都度改良や新しい仕様が加えられています。HTMLの DTD (文書型定義) は、機能強化に対するユーザと制作者の両者からの要求に対応することで、拡張され改善されています。HTML1.0 は、CRENのサーバ上で開発された HTMLのオリジナルプロトコルを指します。この HTMLは一般に公開されなかったため、HTML1.0のレベルで実際に機能するツールを探し出すのはほぼ不可能なほど困難です。HTML1.0 は初めて一般に公開されたマークアップ言語であり、見出し、段落などの文書構造のための基本要素だけでなく、他の文書や視覚要素をリンクする機能も提供されました。Lynx の初期バージョンなど幾つかの Webブラウザは、HTML1.0 にのみ対応しているものもあります。HTML2.0 から、初めて文書型定義の宣言を記述するように求められたバージョンです。HTML1.0 のすべての要素に加え、新たに整形処理のための幾つかのタグは加えられました。また、ユーザからの入力要求を示すフォームの作成要素が提供されています。HTML3.2 では、フォントや背景などのページ上のあらゆるものに色をつけるなどができるようになりました。また、embed要素、applet要素によってサウンド、ビデオ、Javaアプレットなどの HTTP を利用しないオブジェクトさえも Webページで利用できるようになりました。HTML とは、整形処理をするためのものではなく、論理的な構造を記述するマークアップ言語であるという SGML の精神から大きく軌道を逸したことに W3C内でも疑問視され、このバージョンが発表されてすぐに、HTML4.0の草案が発表されました。HTML3.2 は、偉大なる失敗作、つまり W3C が初めて手がけた HTML3.2バージョンの功罪は、あまりにも多過ぎるといえるのではないでしょうか。HTML3.0 は、草案だけで正式勧告されず廃棄されました。HTML3.2までのプレゼンテーション (表現のための整形処理) 用のタグや属性を「非推奨扱い」として再定義し、本来の SGML の原則に回帰する画期的なバージョンです。HTML4.0をさらに アクセシビリティ を高め、より広範囲な人々の容易なアクセス性を目的に仕上げられています。HTML の最後ではないかとも言われています。現在のところ、HTML の新たな草案は何も掲げられておらず、XHTML に移行するのではないかとも想像されています。